皆さんこんにちわ、ねむしです。
今回はかねてからずーーーーーーーーーーーーーーーーーっと書きたいと思っていたLoLの昔話についてです。
特に英語圏ではこの手のノスタルジーに浸る人が多く、面白い話をよく見ていたので、どうにかこうにかこれらを調べて記事にできないかと思っていました。
万人受けする記事では無いとは思いますが、歴史を紐解くのは存外面白いものです。今日のLoLのシステムが生まれた理由がわかったり(大抵はユーザーの悪用でOPが生まれている)、今ではもう見られない反則級のビルドがあったり……。
全3~4編に渡る構想ですが、この頃の情報は取り分け情報が少なく、もしかしたら間違えている部分があるかもしれません。その時は当時プレイしてたお爺さま、コメントで教えてください。
プレリリース
クローズドベータテスト
選ばれた人だけが体験できるプレイテストをクローズドベータといいます。それが2009年4月11日に始まりました。サモナーズリフトのマップは原型として実装されていましたが、今とは若干違う箇所はありました。
チャンピオンは17体しかいませんでしたが、凄まじいペースでチャンピオンが追加されていきました。
この時の世界観は今よりずっとダークで、グラフィックもバタ臭くいかにも洋ゲーという感じ。彩度も高くてなんかクラッシュバンディクーとかバンカズみたいなグラです。また、画面の4割近くを埋めるインターフェースが大不評だったのですぐに修正されました。
サブタイトル
なんとこの当時のLoLには「Clash of Fates」というサブタイトルがありました。ベータ段階でこのタイトルは削除されましたが、もしサブタイが継続していた場合は、
『リーグ・オブ・レジェンド †運命の衝突†』
とかになってたかもしれません。皆さんは今のとどっちが良いですか?僕はどっちでもいいです。
メタ?らしきもの。
サービスが展開されてからはしばらくはADメタが続きました。というのもスキルは当たるかわかりませんし、活用できるかも未知数ですが、クリックしたら当たるオートアタックはまだプレイヤーが成熟してない段階では強かったからです。ということで<5BFソードビルド>とかいうとんでもないビルドが大真面目に強かったようです。
そこからはどんどんと発展していきましたが、今とはすべてが違いすぎて挙げていけばキリがありません。なので一部の珍妙な戦術をご紹介します。
①ジャックス
当時のLoLは回避率というゲーマーからしたら寒イボが立つステータスが存在していました。幸いにして基本的には0%でしたが、当時のジャックスのEにはアクティブがなく、代わりにこの回避率を増加させていました。
▼当時のE
カウンターストライク
ジャックスの回避率を 10 / 12 / 14 / 16 / 18% 増加させる。
回避が発動すると、ジャックスは周囲の敵を 1 秒間 スタンさせ、80 / 100 / 120 / 140 / 160
(+ 60% AP)の魔法ダメージを与える。 (CD7秒)
これに当時ついていた12%回避、20%回避を組み合わせ回避率激盛りの某害悪ポケモンさながらのクソ戦術を取っていました。当然、ユニークパッシブなんてものもなかったのでビルドはこうです▶
とはいえ現在でも採用される乗算累積式なので、実際には100%回避とかいう真のクソゲーではありませんでしたが、後半では8割近い回避率になりました。レイトゲームでは『AAの8割を無効化しながら時折周囲に1秒スタン』などというバカげた状態になっていました。
②ツイステッド・フェイト
当初は微妙だったのですが、研究が進むにつれて信じられないほど強いということに皆気づいたようです。まずこいつはパッシブから様子がおかしいです。
第二の眼
ツイステッドフェイトは味方に3 / 4 / 5%のクリティカル ストライク率を与える。
ツイステッドフェイトが生きている間、彼と味方はユニットをキルするゴールドを2ゴールド増加させる。
こんなの中身のプレイヤーが何をしていようととりあえずいるだけで強いのは間違いないです。そして当時のWはそれぞれ<追加ダメージ+CDリセット、AOE+スロウ、AOE+スタン>という効果。つまり、青カード→金カードで非常に高いバーストとAOEスタンを行えたわけです。
極めつけは当時のEは現在のRに相当するワープスキルであり、射程無限の完全グローバルで、詠唱時間も今とは比べ物にならないほど短かく、CDは90~30秒というぶっとんだ性能をしていました。やろうと思えばLv.2で射程無限瞬間ワープロームが出来ました。
ultもグローバルスキルで、設置物含めたあらゆるものの視界を取り(当時のはこいつがいると何も出来なかったらしい)、40%のスロウを入れていました。当時のサイドレーナーは念仏を唱えながらレーニングをしなければならなかったことでしょう。
③ハイマーディンガー
H-28G エヴォリューションタレット
タレットを設置する。この砲塔は近くの敵を攻撃する。タレットはアルティメットスキルによって2回強化することが出来る。
1回目の強化:ウラン弾 - 攻撃により対象のARとMRを低下させる。
2回目の強化:爆発カートリッジ - 攻撃は範囲ダメージになる。
クールダウン: 24 / 22 / 20 / 18 / 16 (※現在は一律20秒)最大砲塔数:2 / 3 / 4 / 5 / 6
1回目の強化の名前は彼の名前の由来から仕方がないとはいえ、今なら大クレームモノ
今よりわからん殺し性能に寄った性能を誇り、Qのタレットは当時6つまで設置することが出来ました。タレットが検知する範囲も現在の350より遥かに広い575であり、などのごくごく限られた5体以外ではAAするだけで検知されてしまいます。
タレットをスタックできないため一度にたくさん設置することはできなかったですが、パッシブが
技術的修理ボット
ハイマーディンガーの近くにいる味方チャンピオンと彼のタレットに 10 / 15 / 20 / 25 / 30 (レベルに基づく) の体力自動回復を付与する。
とかいう気の触れた性能をしていた為、生半可な攻撃では壊れません。そうこうしているうちにこのQが回り、気付けば6タレットがレーンに設置されていました。ちなみにこのタレット畑、が死のうが離れようが無効化されないため、リコールしてたりロームしたり出来ました。いい加減にしろ
これだけならまだしも当時のEが一番ヤバかったらしく、なんとタワーに対して効果がありました。しかも100%のダメージが入ります。レンジが1000近くあったため、タレットでクソプッシュをした後に適当にグレネードをタワーにぶん投げて400近いダメージを与えていたらしいです。昔からしょうもないな本当に。
シーズン1
正式サービス開始
同年10月20日、クローズドベータは終了し、21日からはオープンベータが始まりました。が、1週間後の27日には終了し、同時に正式サービスが開始しました。昔からとんでもないフットワークをしています。
この時のプロシーンでは今で言う「midレーナー」「topレーナー」という括りは無く、シンプルに最も上手な選手をmidに置く、であったりメタチャンピオンが得意な選手をそこに置くだけ、という感じでした。
EUスタイルへ
アジア圏でもサービスは展開していたものの、この段階では完全に欧米のゲームであり、競技シーンではNA・EUが圧倒的でした。
台頭していたチーム構成は「USスタイル」。読んで字の如く、NAチーム発祥のスタイルです。
ユーザーがプレイしていて、「一番多くのリソースが集まるレーンにキャリー置いた方が強くね?」という発送に至るのは割と自然な気がしてきませんか? 当時のプロシーンはこの形が定例であり、topではとがまったりとファームしており、botではVSがバチりあってるみたいな光景が大真面目に見られました。
しかし、ある時EUのチームがこれを構成からカウンターし、ボコボコにします。「botにマークスマン置いて序盤からドラゴン取らね?」と。
Keriaがらへんのサポートをプレイしているのを観た我々からすれば当たり前だろバカ野郎という感じですが、当時はプロであってもマークスマンはタンク・ファイターの仕掛けに安定して対応出来なかったのです。プロを含めた、ゲーム全体の成熟もあっての転換とも言えたでしょう。
とまぁ、そんなこんなあって今日に至る「EUスタイル」というものはこの段階で確立されました。時折マークスマンが悲惨な弱さになってファイターが顔を覗かせる時があるのは、この時の名残というわけです。
メタチャンピオン
このときのジャングルクリープの攻撃は非常に強力で、周回するのも一苦労でした。その為ジャングラーは限られたピックしか許されませんでした。先程のUSスタイルでの紹介で単に「ジャングラー」と表記したのは、そもそもジャングルの中に選択肢があまりなかったためです。
結果としてヘルスを保ちながら速く回れるチャンピオンがプロシーンでの常連ピックとなり、あたりのチャンピオンが活躍していました。特にはファームが速く安定している上に、旧ヌヌのQ-丸かじりにはのように最大ヘルスを増加させる効果がありました。これによって彼は対面のジャングラー以上にタンキ―な存在になれたため、ほぼBAN or PICK状態でした。
暴食
指定したチャンピオン以外の対象の敵ユニットに噛みついて0.4秒の遅延後に確定ダメージを与え、体力を回復する。
確定ダメージ:340 / 500 / 660 / 820 / 980 / 1140
回復する体力:50 / 100 / 150 / 200 / 250 / 300 (+ 75% AP)
エピックモンスターに使用すると、ヌヌに一定期間「栄養満点」のスタックが付与される。60 秒間、同一種類のモンスターから獲得することは出来ない。栄養満点: 最大体力が2%増加し、通常攻撃に魔法ダメージを付与し、サイズを増加させる。また、非戦闘時移動速度が10増加する。この効果は最大 5 回スタックするし、55 ~ 140 (レベルに基づく)秒ごとに 1つずつ失われる。
レーナーではこれらのタンクたちに対してダメージを出してスケール出来るやフレックスピック出来るなどが強力でした。簡単に見ていきます。
ブラッドミア/ランブル
当時のブラッドは現在とのバーストメイジとは違い、タンキ―なバトルメイジでした。現在のより更にタフで、バーストは控えめな感じ。
13.10現在に比べ、QとWの全体CDが2秒短く、Qはミニオン使用時の回復制裁がありません。当時はゲーム全体で現在ほどのサステイン手段がなかったため、彼だけが頭一つ抜けたレーン維持能力を持っていました。
QとEにチャージは存在していないですが、旧Eは600レンジ以内の全ての対象にヒットし、一律4.5秒で連発でき、その度にヘルス自動回復・自己回復・スペルヴァンプを増加させていくスキルでした。つまり、彼だけが当時誰も持っていないを持っていたような状態でした。
ランブルは今より数段階も数値がおかしかったため、BAN or PICK状態でした。当時のチャンピオン全体の平均MSは今より30近く遅く、MSアップやブリンクスキルも少ないため、ultのイコライザーがあまりに強力でした。
アリスター/ジャーヴァンIV
アリスターはmid jg supに行ける3レーンフレックスの神牛でした(とはいえプロでもプールが狭いので現実的には多くて2レーン)
現在のEとパッシブが逆で、Eを押すと単純にヘルスが回復できるのが強力でした。パッシブはスキルを回復した後に周囲に地ならし。これはミニオンに対しては2倍のダメージを与えるため、midレーナーとしてのウェーブクリアも余裕でした。
ジャーヴァンIVはEにアーマー増加がついているのでのオーラを標準装備しているようなものでした。そしてやはり機動力が不足している当時の彼のEQultは強力でした。
とはいえ、当時はメタよりチームの色を優先していたような状態であり、ピックや戦術もチームによってかなり異なっていたようです。
シーズン2
5ティアマット
ユニークパッシブというシステムは存在してはいましたが、まだまだ整備が進んでいなかった為、コスパの良いアイテムを大量に積むことはしばしば試されていました。
シーズン初頭ではこれを利用したティアマットを複数積むファイターがメタを席巻しました。
ティアマット
2755 gold
+42 攻撃力
+22 ヘルス自動回復(5秒あたりの数値)
+7 マナ自動回復(5秒あたりの数値)Passive :通常攻撃により対象の周囲のユニットに50%のダメージを与える
この頃はまだハイドラという上位アイテムとアクティブ効果は実装されていません。
パッシブのダメージは乗算累積ではなく、加算というトチ狂っていた仕様だったため、これを2つ積めば100、3つなら150、5つならAAの250%ダメージがAOEダメージとして拡散する仕様でした。
特にこの効果をQで2倍(つまり500%ダメージ)にすると、旧ultによりこのパッシブを当たり一面にばらまくリワーク前のはティアマットを特にたくさん買っていました。
ブレードワルツ(旧フィオラのult)
フィオラは戦場を駆け回り、対象指定不可になりながらランダムな敵チャンピオンに 5回物理ダメージを与える。
物理ダメージ:125 / 255 / 385 (+ 90% ボーナス AD)
1回目以降、同一対象へのヒットで40%になる。最初と最後は同じ対象に発動する。それぞれの攻撃には通常攻撃時効果を適用する。単一ターゲットの最小ダメージ:175 / 357 / 539 (+ 126% ボーナス AD)
カウンタージャングル
前シーズンの強力過ぎた中立クリープが弱体化し、ジャングラーに余裕が生まれた一方で、獲得経験値/ゴールドが低下しました。これによりユーティリティ系のタンクジャングラー達()が台頭してきます。
そして周回が簡単になったということで、相手の森に侵入しクリープを奪う戦術、つまりカウンタージャングルという戦術が一般化していきます。こうやって多様性が生まれ、新たな戦術が生まれていくのはなんだか進化の歴史を辿っているようで面白いですね!
……と思っていたのも束の間、更なるファーム性能で有利に立つべくコイツ→が出てきました。またお前かよ。こいつの厄介な点は前述のQもそうですが、旧仕様のWにもありました。敵にQが出来ないため、対チャンピオンに対しては適当に雪玉をぶん投げてお茶を濁すだけなのに、敵チャンピオン以外には凄まじい影響力を持っていました。
ブラッドボイル(旧ヌヌのW)
ヌヌと対象の味方ユニットの血を沸かせ、12秒間、攻撃速度、移動速度20% (+ヌヌの100 P ごとに 5% )を付与する
増加攻撃速度:20 / 24 / 28 / 32 / 36 / 40 % (AP 100 ごとに + 5%)
増加移動速度:8 / 9 / 10 / 11 / 12 / 13 %
最大能力パワー:40 / 60 / 80 / 100 / 120 / 140
Nunu が自分自身をターゲットにした場合、Blood Boil は範囲内で最も近い味方チャンピオンにも影響を与えます。
クールダウン15秒
実質CD3秒なのにこの上昇ステータス量。当時はルルも真っ青のエンチャント能力を持っていた。
また、ロールという概念も現在よりカッチリと決まっていません。ジャングルアイテムが存在せず、誰が取っても経験値は変わらなかったため、「サポートとしてをピックしてはいるが、ある時間までは2人目のジャングラーとしてマップを闊歩する」というおよそ正気ではない戦術が普通にまかり通りました。
靴スタート
WCSが開幕するまでの間、アイテムやチャンピオンが多数ナーフされ、マイルドな環境になっていきます。結果、移動速度によるユーティリティとコスパを求め、全ロール全チャンピオンがブーツスタートをする神バランスとなりました。
メタ
戦術の開幕当初のファイターメタから始まり、終了するその瞬間まで常にtopはファイターメタでした。理由は2つのアイテムコンボにあります。
アトマの刺突者
2,300 gold
+15% クリティカル率
+45 物理防御ユニークパッシブ:最大体力の1.5%に等しい攻撃力を得る。
名前の由来はFFのアルテマウェポン(英語表記はAtma Weapon)から。
ワーモグアーマー
+920 体力
パッシブ:ミニオンをキルするごとに永続的な3.5の体力と0.1体力自動回復(5秒ごとの値)を得る。チャンピオンのキルとアシストではこの効果は10倍でスタックする。上限は体力は+350、体力自動回復は10まで。
増加ヘルスならまだしも、なぜか最大ヘルスを参照するアトマは、誰が積んでも最大の金銭効率を持っていました。具体的に言うと、当時の全チャンピオンのレベル13時点での基本ヘルスは1260~1764なので、大抵の場合はこのアイテム自体に20AD前後がくっついてきて、そこからあらゆる要因(レベルアップ・アイテム・スキル)で上昇するヘルスに応じてまたADを増加させていたわけです。
そしてそれをこれまた訳の分からない効果を持った当時のワーモグで高めていくわけです。ちなみにこの後にと通常攻撃にスロウを付与し、800ヘルスと30ADを得るフローズンマレットを組み合わせたファイターはtopレーンを支配していました。
特に強力だったのがです。今とE・Rはほぼ変わらず、Wはのような即時シールドでした。現在でもなかなかのタイマン性能をしている彼ですが、当時は対象指定Qを当てた対象を攻撃するとサステインをすることが出来たため、あらゆる対面に立ち回ることが出来ました。そのクセ中盤以降はultでプロテクトADC戦術までこなせるとあって、MSI WCS共に最高のピック率を誇りました。
フェイント(旧シェンのW)
シェンは 最大 3 秒間自身をシールドします。
シールド量:60 / 100 / 140 / 180 / 220 (+ 60% AP)
コスト:50 エネルギー
クールダウン: 9 / 8 / 7 / 6 / 5
なぜフェイントをするとシールドを獲得する……?
とはいえこのオールイン最強のファイターたちにも対抗馬は存在しており、らを擁したポーク構成や、midの女帝として君臨していたを活用したプロテクトADC構成()などがありました。
この時はチームファイトメタといって差し支えなく、オブジェクトやエリアのために盛んにチームファイトが行われていました。もしかしたらS13と一番近いのはこのシーズンかもしれません。
おしり
今回はここまでになります。本当はシーズン3まで書きたかったのですが、色々詰め込んだら明らかにコンテンツ量過多になってしまいました。。。
続編はシーズン3の個人プレイメタという今ではなかなかないシーズンから解説していきます! ちなみにシーズン3はあのFakerのデビューシーズンです。こちらは6月初頭に公開予定ですので、もうしばらくお待ち下さい!
感想コメントくれたりすると公開日が前倒しになったりならなかったりするかもしれませんね。もしかするとね。