実は奥が深い!『イグナイト』の活用方法

 今回は皆さんおなじみ、イグナイトについての解説です。

 目標をセンターに入れてスイッチを押せばとりあえず火を点ける、お手軽簡単スペル…と、思っていませんか?

 採用率の高いスペルでありながら、その活用方法が周知されていないように感じます。実は奥深いスペル、イグナイト。その核心に迫ります。

効果のおさらい

敵のチャンピオンに火をつけ、5秒間かけて確定ダメージ(チャンピオンのレベルに応じて変動)を与える。効果時間中、発火した対象の位置を確認できるようになり、対象への体力回復効果は減少する。

クールダウン:180秒 レンジ:600

 極めてシンプルで説明することなんてほぼありませんね。覚えておいてほしい部分は3つ。


①確定dotダメージ

②重傷効果を付与する

③CDは3分と最短


 余談ですが、2009年10月にナサスと共に実装されたこのスペルは、彼と同様、ほとんど姿を変えていません。シーラカンスみてぇだなお前ら

実は悪名高きDFG・ブルタラも同期。

もう少し詳しく

ダメージにレシオは無く、レベルでのみスケールする

どれほどアイテムが出ていようと関係がありません。これのお陰でAD/APを積まないサポートやタンクも扱うことが出来ます

ステインに強く、シールドに弱い

重傷付与によりサステインには強く出られますが、シールドには効果時間が噛み合うとほぼ無効化されます。

最強Lv.1 ←―――→ Lv.18最弱

基本的には最もLv.1で強く、後半になるほど急速にそのパワーを落としていくスペルです。

価値は変化する

 ここまでの仕様を踏まえた上でですが、例外も当然あり、状況・要素によって価値は変わってきます。

 相手のサステインがハードであるなら、30分ゲームであろうと価値は高いでしょうし、テレポートやエンゲージが少ない相手であれば、それほどレイトゲームでも不利は背負わないでしょう。

 まぁこれは柔軟な発想を持ってくれという話です。複雑な要素がたくさんあるゲームですから、序盤強いと言ったのに『イブリンでイグナイト持ってウディアを殺りにいったら死んだ!』みたいなコメントされても困るので…

ロールによって変わる役割

TOP

強み

●1v1・小規模戦で強力
●重傷アイテムを節約できる
●TPやゴーストと共存可能

弱み

●レイトゲーム・集団戦では弱い
●機動力の低下
●ユーティリティの低下

 TOPレーンでの役割の代表は戦闘面の強化・重傷アイテムの節約です。

 他レーンと比べサステイン持ちが多い(等)レーンなので重傷を付けられるという役割が大きいです。

 中盤以降のスプリットをする場面で特に強力で、重傷アイテム分の800ゴールドを戦闘用のステータスに割り振ることが出来ます。

 もし機動力があるチャンピオン(等)の場合は、フラッシュを捨て、TPやゴーストと共存させることが可能です。これらは優秀な自由方向のブリンクがあるtopレーナーにしか行えない特徴と言えるでしょう。

 中でもの形を取れるのは特に強力で、リスクを取らずにレーニングを強力にすることが出来ます。

 しかしそれほど柔軟な選択が出来ても、搭載するということはレイトゲーム・集団戦で弱くなることは否めません。また、フラッシュが無いことによるチャンスメイク力の低下も見逃せなくなります。

 

MID

強み

●1v1・小規模戦で強力
●キルプレッシャーによりマッププレッシャーを生み出せる
●ファームの為に持つことも出来る

弱み

●運用リスクが高い
●テンポを維持し辛い
●経験値管理が難化する

マッププレッシャーとファームが主な役割です。

 midはプッシュが命なレーンです。そのためにはミニオンを触らなくてはならないわけですが、それをキルプレッシャーでゾーニングした場合、ウェーブの優先権を得てレーンから消える(=ウェーブプレッシャー)につなげることが出来ます。

 それを遂行しやすい、バースト力が高いチャンピオンがオールインの足しに持つことがほとんどですが、レーニングの中でファームを補強したい場合でイグナイトを持つ選択も出来ます。

 このコンセプトは『消極的選択』と呼ばれ、アサシンのカウンタープレイをなくす目的で選択されます。こちらは後述の運用方法の項で解説しています。

 一方でソロキルをとったとしても上手に立ち回らなければ有利を活かせない可能性があります。アホほどキルを持ったそこかしこに歩き回って有利をぶん投げる様子は誰もが見たことがあるでしょう。上手なゼドはキルで得たプレッシャーで相手の経験値をロストさせる動きをします。

 TP持ち相手に特に難易度は高まります。topと違い、ウェーブを沢山貯めることが出来ないので、ウェーブロストをさせることが難しいからです。ある程度のレートならカバーも入りますしね。 

 運用リスクも高く、特に中盤でパワーが確約されているアサシン以外で持った時に序盤で失敗してしまうとゲームからしばらく置いていかれてしまう危険があります。

 

SUP

強み

●ヒールの回復量を阻害する
●オールイン性能を高める
●オールインを拒否する
●ハラスに活用できる
●重傷を付けてキルを確実にする

弱み

●レイトゲーム・集団戦では弱い
●強みを活かせるかはプレイヤー次第

ヒールの回復を阻害し、オールイン性能を高めるために持たれます。

 サポートが持つ第5のスキルと言ってもいいほど、たくさんの役割を持ちます。それ故に、サポートメインの人の理解度は他レーナー以上に重要です。理解度が低いと強みを全く活かせないスペルになってしまいます。

 例えばヒールの回復は『阻害するのが役割』なわけですから、ヒールを打たれた後にイグナイトを押しても遅かったりします。シルバー前後のサポートの方には耳が痛いかもしれませんが、効果のおさらいを思い出してください。クールダウンは最速の3分なのです。ケチらずに早めに切りましょう。

 オールインの拒否の為に持つのは主にレンジドサポート(等)です。『拒否』と銘打っているのですから、相手のオールインがある程度強力なことが前提ですが、基本的に彼女らは2度目の強力なハラスが成功したタイミングくらいでは使用しても何ら問題ありません。

 言ってしまえば『ヒールが出来ないデバフ』を与えるわけですから、場合によってはその2度目のトレード中に相手はヒールを切るところをフラッシュを切るハメになるのです。

 集団戦では重傷を付ける役割も持ちます。先に述べた通り他レーナーはイグナイトではない場合もありますし、持っていてもサイドプッシュのせいで集団戦にいなかったりします。その時はサポートがフォーカスしている相手に重傷をつけなくてはなりませんから、重傷も大事な役割と言えるでしょう。 

レーンが強い訳では無い

そのワケとは・・・

どう考えても相手を直接ぶん殴ってぶち転がせるイグナイトが、レーン最強に決まっている!!

 その神話が通用するのはキルゲームが推奨されるメタやアサシン・ロームが強い環境だけです。

 具体例を挙げましょう。VSのマッチアップです。

 何もなければ確実にオリアナが有利になってしまうため、序盤のキルを遂行できたとします。そうですね、Lv.4あたりで考えましょうか。ここで完全に得をするパターンは、ウェーブを押し付けることが出来た場合のみです。

 もし、中途半端な位置でミニオンが止まってしまうのなら、実はファーストブラッドを取っていたとしてもほとんど有利になりません。オリアナはTPでミニオンをほぼ全て回収できる一方で、シンドラは1ウェーブを失ってリコールしなくてはなりませんからね。

 この状況、ソロキューではかなりの確率で起こり得ます。敵JGがカバーに来るかもしれませんし、マナが無くてプッシュ出来ないのかも。

 そんな条件付きの中でしか、TP相手には有利を取れないのです。

ではなぜアサシンは持つのか

 イグナイトを活かして確実な有利を築くにはどうすればよいのか?

 答えは単純明快。ミニオンを押し付けてキルを取ることです。この有利はTPを持っていてもカバーしきれません。敵JGをレーンに縛り付け、対面は経験値をロストするキルです。

 これを行うプレッシャーを出せるのがアサシンなのです。だからmidではイグナイトを持ちます。キルで強くなる、というのは何も『アサシンクラスであればキルゴールドが増える』というワケではありません。そんなパズ●ラじゃないんだから。

選択する理由と運用方法

 最後の項で選択する理由と運用方法について述べていきます。 

積極的選択と消極的選択

 積極的選択は読んで字の如く、レーンを勝ちに行く動き方をする選択です。これはキルムーブやマッププレッシャーを生み出すことをコンセプトにしています。

 割と一般的な理由ですし、アサシンが持つ大部分の理由はこれにあたります。

 一方の消極的選択はあまり周知されていません。こちらはファームやプレイメイクを確実なモノにするため選択されます。具体的にはあたりのメイジが持ちます。

 通常は他のスペルを持つ彼らですが、もしイグナイトでpokeやトレードに数回成功した後、アサシン達は彼らにオールインすることが難しくなります。なぜなら次のイグナイト込みでの次のスキルでキルされてしまうから。いわば牽制目的で活用することで、レーニングを補強し、取りづらいファームを確実にすることが出来るというわけです。

 もしアサシンの強力な中盤をこの牽制で無効化できれば大きなアドバンテージになるでしょう。

ルーンとのシナジー

 敵にダメージを与える唯一のスペルなだけあって、固有のインタクションがたくさんあります。

はスタックとして判定/獲得されますし、での追加ダメージ増加は反映されます。
も送り出せますが、1種のスキルに1回だけ送り出すので効果時間中に帰ってきても再度送り出せたりはしません。

 このシナジーを加味すると、ビルドの組み立てやコンセプトもしっかりしていきます。

ソロレーンではリコール回数を多く持つ

 これはTPを切って採用していた時に限定されるのですが、イグナイトを使うときはリコール回数を多くしなくてはなりません。

 ここまで読んでくれた方ならピンと来るとは思うのですが、イグナイトを持つということはリコールタイミングを好き勝手に選べませんし、万が一にでも相手にリコールを強制されるとゲームから締め出されてしまうほどの損害を負います。理由は当然、TPで戻ってこれず経験値をロストするからです。

 「味方ウェーブが来ている段階で相手とハードにトレードしてリコールする」という予定を作れるくらいがベストですね。ちなみに僕は頭に血が登っていると出来ません。

最後に

最後にお伝えしたいことがあります。

イグナイトを持て

 持ちましょう。イグナイトを。

 ProbuildやOP.GGがTPと言っても、あなたの推しYoutuberがイグゾーストでも、とりあえず持てるレーンでは持ちましょう。

 というかTPをやめましょう。あのサモナースペルは実はスペル界のみたいな存在なので、鯖上位5%くらいのプレイヤー以外は欠片も活用できていません。

 プレイスタイルやコンセプト的にTPを持ちたいのならそれも結構です。コンセプトというのなら仕方ありませんから。え? 「コンセプトって何ですか?」って…?

コンセプトについてはこちらから!

 

 しかし、それにしてもまずは『イグナイトのキャリア』を積むべきです。その理由は95%のレートではイグナイトが強いからです。

 チャンピオン理解度が浅いのでキルラインも知りませんし、リスクも知りませんからジャングルもガンクしに来ません。ギブするべきオブジェクトの為のファイトが起こりやすいですから、そこにワンチャンスを見出せるのも強みです。他にももう1個記事を書けるほどの理由があります。

 よく『死んでも大丈夫だからTPを持つ』という人がいます。その心理もわかりますが、そのときはぜひ消極的選択を思い出し、積極的にハラスをした後、リコールを繰り返して下さい。正常のタイミングのリコールを繰り返すことはレーン戦の時間を少なくします。TPではこれが出来ません。てかそもそもソロレーナーが死ぬ前提ってなめてるんですか?

 以上、イグナイトについてでした。結構文字数多めになっちゃったかもですが、それほど奥深いスペルってことも含め、伝わっていれば幸いです!

 

 

 

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