シーズン13現在、ADCのサモナースペルはこのゲームの歴史においても過去類を見ないほどの多様性を見せており、メインに据えている人であればある程度の知識をつけるに越したことはないかと思います!
中には相性の良いスペルを使えること前提としたチャンピオンもいるくらいです。そんな大事な大事なADCのスペルについて、強み・弱み・運用方法を解説していきます。
日頃、何も考えずにを選んでいる人は非常にもったいないです!もっとキャリー力のある選択や、違うスペルの選択を取れるようになれば、より勝率を上げることが出来るハズ。
この記事では「選択基準と運用方法」にフォーカスして網羅的に解説していきますので、ぜひこの記事を通してその脳死で選んでいる甘ったれた根性を捨て知見を得てみて下さい!
ヒール
序盤最強のド定番。
レーニングを厚く見るならコレ。
選択基準
序盤の2vs2で勝利することを目的としたり、ゲーム全体でレンジを維持したい時に。
他のスペルより圧倒的に序盤に比重があるスペルなため、レーニングで有利を築きたいところです。採用した時点で80ヘルス多く持っているということに留意し、アグレッシブにプレイしましょう。
を選択して「を選択した対面とイーブンで過ごそう」などとヌルい考えをしていると、後半でそのツケが回ってきます。
レンジ維持とはブリンクで接近してくる相手から距離を離したり、逃げる相手に近づく為に活用する方法です。構成全体で一瞬でキルしてくるアサシンなどより、タンク・ファイターが束になってチームファイトを行い合うことが予想されるならよりベターな選択となりえるでしょう。
使い方
早め早めに使うという意識が大切。
に完全にカウンターされるため、タイミングによっては無意味なスペルとなってしまいます。運用する際はをかけられる”前に”使用しましょう。
移動速度(以下MS)増加も強力で、逃げカイト・追いカイト両方のフェーズで有用です。攻撃的に活用も出来る、非常に汎用性のあるスペルです。
ヒールされる味方は「最も近いチャンピオンor指定した対象の1人のみ」なのを忘れずに。味方を指定するクセをつけたいですね。
最後に、「使用した後はどう転ぼうと結果が残る珍しいスペル」ということに留意して下さい。とかだと、ダメージをブロックしてないと使った後は何も得られませんが、の場合は回復したヘルスが残ります。これを意識すればガンガンヒールを使って序盤からリードを築くことが出来るはずです。
ヒールによるMSアップでgankに合わせることに成功し、その上で回復したヘルスによりサポートと共にレーンにとどまることができている。
イグゾースト
タイマン性能を確保し、フィジカルを補強。
アサシンへの対策にも。
選択基準
アサシンを黙らせたい、相手ADCとタイマンを張りたいアナタに。
3割のダメージカットデバフは強力なデバフで、本来勝てるはずのない1vs1を勝つことが出来ます。アサシンたちへの牽制にもなるので持つだけでロームされた時に生き延びたりできます。
また、集団戦においてもあたりから身を守ることに使えます。アサシンの機動力にはなどでは対抗しきれないため、の方が有用なこともあります。
この”アサシン”には「アサシン気質な対面」も含まれる点も見逃せません。このあたりのADCを強烈にカウンターするので、彼女らが対面にくるときは積極的に採用を視野に入れましょう。
使い方
スキルダメージを低減させるのが第一目標。
スキルのダメージを減らすために使うのが理想なので、相手のスキルコンボの使用前に撃ちましょう。こちらもと同じく、前に前にという意識が大切です。相手は下でのオールインは失敗に終わるので事実上スキルを撃てない状態にさせるという目的で使用しましょう。
スロウは30%固定であり、これはブーツを履いていない序盤でこそ有効に働く数値ですが、スケールしないため後半では微妙な値です。スロウ目的で使うなら中盤までくらいに留めましょう。
に強烈にカウンターされます。先程の3人もこれを持たれると機能停止されることを嫌い、読んでを持つこともあります。その場合はサポートのCCに使わせてから打ちたいところです。
クレンズ
対ハードCC・デバフ。
レイトを見据えたキャリー志向な選択。
選択基準
強烈なハードCC対策が基本で、後半を見据えた選択。
ハードCCを軸とした構成相手(例:)に有用で、主に機動力のないマークスマンで採用されます。
「どう考えてもキャリーするにはが必要だな」というのが予想される構成ならば持つべきですが、ハードCCのみで判断してしまうと序盤のファイトで苦しくなるのも確かです。マッチアップ的にを持っても逆転しないのであればでレイトに備える、という使い分けが丸いでしょう。
botレーンにおいてほぼ必ず使われるを除去できる点も見逃せません。特ににより機能停止するヤクザADC三姉妹はイグゾースト対策のためだけに持ってくることもあるほどです。
使い方
タイミングは早めでもOK。デバフ解除も可能な点に留意。
使用してから3秒間はほぼ全てのCC効果を65%減少させるため、使用が遅すぎるよりかは早い方が良いといえます。ただし、活用するからにはできる限りジャストタイミングでの完全解除を狙いたいところです。
防御的ではなく、攻撃的に活用するのが強力なスペルです。相手のフックやCCに対して恐れることなく火力を出し続けてこそ、持った意味が生まれます。があるのにCCに怯え過ぎるのはあまりに損で、むしろCCをかけにきた相手をキルするくらいの気概で運用したいところです。
CCだけではなくデバフの類も消去できます。特にCrippleと呼ばれるAS低下デバフはの3人しか持っていませんが、その効果はいずれも強烈です。何かと出てくる3人なので、敵に見かけたらCC構成でなくても検討する価値はあります。
バリア
ヒール以上の疑似ヘルスを獲得。阻害方法もほぼ無し。
ただし、一時的な点に注意。
選択基準
アサシン相手を見据えたり、安全性を取りたい時に。
こちらも主に機動力が無いマークスマンで採用されますが、生きてさえいればあらゆる敵を殲滅できる、キャリー型マークスマンで採用されます。主に等。
アサシンに対して運用する点でと競合しますが、こちらの方がより防御的です。あちらはカウンターし、手玉に取るような感じで、こちらは生き残りとにかくダメージを出すようなイメージ。
どのような局面でも使用でき、身を守る一点だけでいえば間違いなく最強の性能をしていると言えるでしょう。とにかく安全にファームをしたい、スノーボールされたくないのであれば選択する余地があります。
使い方
2秒のみという効果時間に注意。
最も運用が簡単なスペルかもしれません。とても単純で、ダメージを受ける直前で使用するだけです。
確実性のある大量の疑似ヘルス、と聞こえは良いですが、その効果時間はわずか2秒のみ。タイミングを誤れば恩恵を受けることができませんし、手練れのアサシンは2秒待ってからダメージを叩き込んできます。
また、と違い使った後には何の結果も残してはくれません。クールダウンこそと同じ3分で最速ではありますが、相手に発動をベイトされないように注意したいです。
他にも全く拡張性のないスペルなので、自身が安全な点以外で何にも活用できません。この安全性を使い、ダメージを出すことを意識しましょう。たとえば、これを採用したのにまで採用してしまえば、あまりに安全性にペイしすぎてダメージを出す目標を達成出来ないかも……?
ゴースト
MSは全てを解決する。
立ち位置の修正が容易になる集団戦向けスペル。
選択基準
命題:MS増加をどこまで活用できるか?
レーニングにあまり心血を注ぐマッチアップではない、レイトで立ち回りやすくしたい、試合をキャリーしたいといったときに選択できます。メタによってはがデフォルトなマークスマンも存在します。
高いMSでADCにべったりついてくるような相手にもある程度有効です。例えば等。彼ら自身もを採用する場合があり、その場合は他のスペルでは太刀打ち出来ません。
総じて選択基準は『MS増加を活かせるか?』という点で人により異なります。しかし、個人的には最もキャリー力が高い選択肢ではあるので、メインに据える方は活用できると強力なスペルだと思います。
使い方
相手の仕掛けをカウンターし、多くのAA機会を手に入れる。
効果時間リセットを意識。
このスペルの真骨頂は相手の仕掛けを避けた、その後にあります。このゲームのAAには静止時間が必ず発生するため、ほぼ同じMS同士ではAAをした側がいずれは引き離されてしまいます。しかし、このスペルはそのコストを無料にし、多くのAAの機会を手に入れることができるのです。
イメージしやすいように例をあげます。相手のがこちらのを捕まえました。しかし彼にはultがあり、なんとかデッドせずに済んだようです――。本来この状況では他のCCがなければに火力を出すことは出来ません。しかし、を使うことで彼に接近する手段と、追いながら最大効率でAAをし続けることが出来ます。
基本的にはやはり早め早めが肝心ですが、カウンターエンゲージで活用する際は効果時間リセットを手に入れるため、相手をキル出来るタイミングを効果時間に収めたいです。先の例で言えばをキルするタイミングになりますね。
他にも迅速に味方に寄ったり、方向指定を避けたり。MS増加は多くの可能性を生みます。しかし、一方で擬似的なヘルスを得たり、ダメージを与えてるわけではないので直接的な戦闘能力は皆無な点には注意です。よーいドンで戦えば間違いなく敗北します。あくまでユーティリティに優れたスペルである点に留意しましょう。
イグナイト
キルによるスノーボールとプレッシャー。
相方が活用しづらそうなら自分が持つ。
選択基準
ADC手動でオールインし、スノーボールを狙う。
限られたADCが活用できるスノーボールを狙う選択です。前述でもたくさん述べた通り、序盤で強力なをADC手動でカウンターしに行けるため、相手が受けるプレッシャーも相当でしょう。
しかし誰でも使える代物というわけではなく、現実的に採用可能なのはあたりの自分から仕掛けられるチャンピオンに限られます。また、相方はエンチャンターである必要があります。当然ですが、タンクサポートであるなら彼らから仕掛けた方が強いですから、彼らにを持ってもらった方がよいでしょう。
重傷アイテムを踏み倒せる点も見逃せません。元々がスノーボール気質、相方がエンチャンター、相手にサステインチャンピオンがいる、といった条件なら前向きに検討出来るでしょう。
使い方
オールインの際に気軽に着火。
基本的には他レーナーと変わらず、オールインの際に使用するだけなのでシンプルです。180秒という最短のCDを持つため、気軽に、半ば適当な気持ちでボンボン着火しても損はしません。
では2スタックとスタックの維持、ではダメージ増加の恩恵を受けられる点には留意しましょう。ルーンとの相乗効果をなるべく生みながら使用したいところです。
前述の通り、重傷目的でも使えます。生意気に殴りかかってきたあたりを返り討ちにしてしまいましょう。
採用の際は十二分に安全面に配慮して立ち回りたいところです。他スペルと違い、全く安全性には寄与しないため、ライフスティールや防御的なアイテムも広く視野に入れましょう。ある程度はこのスペルがダメージを出してくれるため、火力は担保されてるとも考えることが出来ます。
テレポート
リコールタイミングを作るために採用。
一部のチャンピオンでは攻撃的にも活用可能。
選択基準
強烈なポークレーンが予想され、リコールタイミングが作れない場合に
レーニング段階でお互いにハラスし合うことを「ポークレーン」といいます。マッチアップ例で言うとvsみたいな感じ。この場合はオールインというものはほぼ起こらず、お互いに「マナを使って相手のヘルスを減らすか」というミッションを遂行しようとします。そこで役立つのがこのスペルです。
ヘルス・マナどちらが削れようとこのスペルであれば、一瞬にしてレーン復帰が可能になるため、持っていない側はレーニング段階で選択肢が絞られるという不利を背負います。例えばリコールタイミングが失ったり、本来取れたはずの有利が取れなかったります。
保険的な形でも有効です。ポークレーンでの失敗はそのままドラゴンやダイブに繋がります。その失敗をある程度カバーしながら、レイトゲームで真TPを活用できる可能性も残せます。
使い方
換金・ヘルス/マナ回復・無理矢理リコールタイミングを作る
絶えずウェーブクリアとハラスを繰り返し、マナがなくなったらアイテムを換金し戻ってくる。が、最も強力な使い方です。これはmidメイジと同じ運用であり、機能すれば相手のレーニングでの駆け引きを無効化することも出来ます。
そのため使用できるチャンピオンはもっぱらマークスマンというよりメイジ、あるいはメイジ気質なチャンピオンばかりです。やなど。他チャンピオンはどこかでオールインした方がベターだったり、ファイト性能が大きく犠牲になってしまいます。
ジャングルを交えての3対3で勝利した後に、ドラゴンを手伝うといった運用も出来ます。本来はリコールタイミングを潰してしまう行動ですが、ドラゴンを手伝い、ウェーブを押してリコール、そしてTP復帰をすることでチーム貢献をしながらファームロストをゼロに出来ます。
あとがき
今回はADCのサモスペについてでした! 上手く活用した例を動画などをもっと載せたかったのですが、なかなか見つからないものですね……。
この記事を参考にぜひ自分が運用したいチャンピオンに合わせてスペルを考えてみてください!